腎臓内科

腎臓内科

こんな時には、腎臓内科医へ相談を

  1. 尿検査で尿蛋白や尿潜血を指摘された。
  2. 血液検査でクレアチニン値やeGFRの異常を指摘された。
  3. 健診で、腎嚢胞(じんのうほう)を指摘された。
  4. 腎臓病が疑われる症状が出てきた。
  5. 糖尿病治療中だが、タンパク尿が出てきた。腎機能が低下してきた。
  6. そろそろ、透析が必要と言われた。

尿検査で尿蛋白尿潜血を指摘された

尿蛋白陽性(蛋白尿)

蛋白尿が出たからといって、必ずしも異常とは限りません。運動後や発熱時に一過性に出ることもあり、1回の尿検査だけでは、正常か異常なのか判断できないことがあります。
また、健診で行われる尿検査は、(±)(1+)(2+)と大ざっぱに表示されることがほとんどです。
当院では、1日何g程度の蛋白尿が出ているのかまで検査を行うことで、より正確に異常の有無を判断しています。
蛋白尿が多量に出ている場合、蛋白尿だけでなく尿潜血も伴う場合には、慢性腎炎などの腎臓病が隠れている可能性が考えられます。その場合には、腎生検など、さらに詳細な検査が必要な場合もあります。
また、蛋白尿は、高血圧症や糖尿病といった全身性疾患に伴う場合もあります。
その場合は、蛋白尿を減らす働きのある降圧剤を使用したり、最近では、SGLT2阻害薬といった、同じく蛋白尿を減らす働きのある糖尿病薬を使用したりします。

尿潜血陽性(顕微鏡的血尿)

尿の中に赤血球が出ているときに陽性になります。原因は様々で、尿が作られる腎臓から、尿の通り道の、尿管~膀胱~尿道のすべてが原因になりえます(下図)。
蛋白尿のない血尿だけの場合や、目で見てわかるような肉眼的血尿の場合には、泌尿器科が守備範囲の疾患であることも多いのですが、その場合には、適切に紹介いたします。

腎臓解説イラスト

血液検査でクレアチニン値やeGFRの異常を指摘された

腎臓の主な働きは例えて言うと、部屋のゴミを吸い取り、部屋をきれいにする掃除機のようなものです。
掃除機が故障すると、部屋の中のゴミが貯まってきます。
同様に、腎機能が低下していくと、血液中にゴミが貯まってきます。そのゴミにあたる物質が、クレアチン(Cr)です。

クレアチニン値が高いと言うことは、部屋のゴミの量が多いことと同じで、したがって掃除機にあたる腎臓の働きが低下していることを示しています。

実際には、クレアチニン値は、年齢、性別により大きな差があるのですが、年齢、性別で補正して計算したものが、eGFR(estimated Glomerular Filtration Rate;推定糸球体濾過量)となります。

クレアチニン値と、eGFRは、逆の関係を示し、クレアチニンが高いほど、eGFRは低い値をとります。
eGFRは、大まかに言うと、正常の腎機能を100%とすると、何%働いているのかを示す値になります。もちろん、eGFRが高いほど、腎機能が良いということになります。

eGFR値が、60未満が3ヶ月以上続いた場合に「慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease;CKD)」と診断されますので、その場合は、一度腎臓内科を受診することが奨められます。

慢性腎臓病(CKD)の原因は様々で、詳細な病歴や、血液検査・尿検査・腹部エコーなどで、総合的に判断します。原因によって、治療方針を決めていきます。

腎嚢胞(じんのうほう)を指摘された

腎臓に液体が貯留した袋状のものができる病気を腎嚢胞(じんのうほう)と言います。健診や人間ドックのエコーやCT検査で偶然発見されることが多いです。原因はよくわかっていませんが、年齢とともに多くの人に発生します。治療は不要で、年に1~2回、エコーで経過観察する程度で構いません。
ただし、両側の腎臓に5個以上の、嚢胞が認められる場合、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)といわれる、遺伝性の疾患の可能性もあります。
この疾患の場合、腎不全が進行する可能性もあります。早めに治療を始めれば、進行を遅らせるお薬もありますので、気になる方は早めの受診をお勧めします。

腎臓病が疑われる症状が出てきた

  • 尿が泡立つ
    尿が泡立つ原因としては、脱水で尿が濃くなっている場合(したがって、起床時の尿で起こりやすい)や、尿の勢いが強くて泡立っているだけ、ということが大部分ですが、まれに、タンパク尿や糖尿病のため、泡立つことがあります。尿検査ですぐに異常かどうかわかりますので、お気軽に来院ください。
  • 見た目でわかる血尿(肉眼的血尿)が出た
    尿路感染症や、糸球体腎炎など、内科的疾患の場合もありますが、尿管結石や泌尿器系のガンの可能性もあります。泌尿器科受診が適切な場合は、紹介いたします。
  • むくみが出てきた
    むくみの原因は、腎臓病だけでなく、心臓病や、肝臓病、甲状腺疾患、薬剤性など、多岐にわたります。
    腎臓病に関する知識だけでなく、総合内科的な幅広い知識が必要になります。

⑤糖尿病治療中だが、尿タンパクがある。あるいは、腎機能が低下してきた

糖尿病の合併症の一つに腎臓病があります。糖尿病関連腎臓病あるいは、糖尿病性腎症と呼ばれます。
治療は、厳格な血圧・血圧コントロールをすること。同じ血圧を下げる薬でも、ACE阻害剤、ARBといった、タンパク尿を減らす働きのある薬を使うこと。最近では、SGLT2阻害薬や、GLP-Ⅰ阻害薬、ミネラルコルチコイド拮抗薬といった薬も進行を抑える働きがあることがわかっています。

しかし、透析導入の原因1位が、糖尿病であることからもわかるように、その治療は一筋縄ではいきませんし、すべての人に、すべての薬が使えるわけではありません。

当院では、院内で検査もできますので、その結果を見ながら、患者一人ひとりに合った治療を行っていきます。

⑥そろそろ透析が必要と言われた

たいへん心配のことと思います。
本当に透析が必要なのか?そもそも、透析とはどういったことをするのか?お金のことが心配など、様々な疑問が頭をかけめぐることと思います。
当院では、腎機能低下が進行した末期腎不全の方の治療も経験豊富です。
いよいよ透析が必要となった場合、患者さんの意向もくみ取りつつ、スムーズに透析治療に移行できるようにいたします。

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